2017年02月25日土曜日

千葉県出身、愛と情熱の画家  鳰川誠一展

全国的、世界的に活躍した郷土物故作家の代表

鳰川誠一(におかわせいいち)は、明治30年、現在の茂原市山崎に生まれ、18歳で上京。24歳の時、結核療養を機に、絵をはじめ、葵橋絵画研究所に入所。郷土ゆかりの物故洋画家・今関啓司とも知り合った他、里見勝蔵(ヴラマンク=フランス、フォービスム〈野獣派〉の画家に師事し、当時の画壇に大きな影響を与えた人物)に師事。昭和9年、白日会展、独立展に入選。数々の受賞の後、昭和14年、白日会会員( 後に退会)となり、昭和23年、独立美術協会会員となる。天皇陛下の独立展ご観覧案内役を務めるなど、全国的に活躍し、昭和46年、73歳の時、ベルギーで個展を開催し、ヨーロッパ芸術展招待出品朱賞受賞(コマンドル位勲章)。昭和58 年にはメキシコ国立芸術院招待展にも出品している。

色彩豊かな独特の世界感う

水墨画と洋画を融合した独特の作品で、世界的にも活躍した鳰川氏。そのテーマは、人類愛、平和、生命の息吹への賛歌であり、北海道の原生花園に取材した色彩豊かな洋画作品、墨の力強さと色彩を生かした墨彩画作品、国籍や人種を越えた男女の愛をテーマとした作品など、数多くの情熱的な作品を生み出した。

特に、鳰川芸術の集大成とも言われる「海女人命救助」は、1609年、御宿での座礁船のメキシコ人乗組員を海女たちが救助した出来事に着想を得た作品で、人類の愛と平和を訴えるものである。

収蔵品の中から精選した40点を展示

今回の展覧会では、同館収蔵の127点の内、鳰川誠一芸術を展望することができる精選40点が展示され、「愛と平和」をテーマとした作者の情熱的な創作活動が紹介される。

また3月4日には、鳰川誠一の次男であり、同氏の個展を数多くコーディネート、自信も現在、秋耕会会長、墨田美術会副会長を務める、鳰川宏(におかわひろし)氏を講師に迎えた、「ギャラリートーク」も開催される。絵画展、ギャラリートークともに入場無料。この機会にぜひ「愛と情熱」の画家、鳰川誠一の世界観を堪能したい。


▲「自画像」油彩・1921年作。戦前作品は、ほぼ焼失しており極めて貴重。24歳で画家を志した時の自画像で、未来を予見するかのような強く若々しい瞳が印象的。2000年オランダでの個展に出品。


▲「顔」墨彩画・1981年作。広告チラシを利用し、印刷物の色彩を際立たせた作品。1983年メキシコ個展、2000年オランダ個展に出品。

茂原・東金・九十九里

オニオン記者投稿

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